「いやぁ、映画って本当にいいもんですね」の名ぜりふで親しまれた映画評論家の水野晴郎=みずの・はるお=(本名・山下奉大=やました・ともひろ)さんが10日午後3時5分、肝不全のため都内の病院で死去したことが11日、分かった。76歳だった。昨年、転倒して骨折して以来、入退院を繰り返していたが、2日前から危篤状態に。病床では、監督・主演を務めた「シベリア超特急」シリーズなど、最後まで映画のことばかり考えていたという。
http://www.sanspo.com/geino/news/080612/gnj0806120504015-n1.htmTsanのコメント 水野さんと言えば「シベ超」の監督・主演のほかに「金曜ロードショー」(日本テレビ系)の解説でも御馴染みですね。水野さんは1997年まで同番組の解説を務めていました。民放の映画番組がほかに2本ありますが、初めに解説コーナーを廃止したのが「金曜~」でした。その翌年からはテレビ朝日「日曜洋画劇場」から故・淀川長治さんが居なくなり、テレビ東京系「木曜洋画劇場」も2003年に解説者制を廃してしまい解説者が“前説・後説”する番組が自然消滅してしまいました。
10数年前に録画した「金曜~」のテープが今でも我が家に残っています。作品は「となりのトトロ」。最近は全く見ていませんが、水野さんの解説を聴いてはこれから始まる作品へのワクワクを子供ながらに感じたものです。最後のほうには宮崎駿監督との対談も入ってたと思います。
また意外に思ったのが警察マニアとしての一面。国際警察官協会の日本支部会長を務められていて、警察学校で講演していたこともあったそうです。「ザ・ワイド」で確か海外の架空の警察組織から不正な請求が届くという事件だったと思いますが、そのときに水野さんのコメントが放送されていました。アメリカの警察制度についての説明でしたね。
最近、映画を心底ほめてくれるような人が減ったとつくづく思いますね。水野さん然り、淀長さん然り。映画の番宣のように無理にベタ褒めするのではなく、自分の等身大の言葉でその作品の良さを語ってくれる人。その一方で映画を辛口で評論する人々のほうがむしろ際立ってきたようにも思えます(敢えて名前を挙げるまでも無いと思いますが)。そういう人々の存在が良い悪いということはありませんですが、一方に傾きつつあるようなのはどうなのかなという気がします。
謹んで水野さんのご冥福をお祈り申し上げます
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